ADM(後天性メラノサイトーシス)のレーザー治療について
ADMは、外用薬や内服薬では治療効果が得られないため、レーザーでの治療が行われます。
とはいえ、レーザー機器にもさまざまな種類があります。そして、ADMの症状に合った機器を使用しなければ、十分な治療効果を発揮しません。
ADMでお悩みの方は、どのようなレーザー機器を使用して治療するのか気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ADMの治療に使用されるレーザーについて詳しく紹介します。
レーザー治療の効果や注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の治療方法
ADMの治療で使用されるレーザーは、「ピコレーザー」もしくは「Qスイッチレーザー」の2種類です。
ADMは、発症部分が真皮(皮膚の深い部分)のため、内服薬や外用薬、光治療などでは効果が得られません。
つまり、レーザー治療でしか治療効果を得られないということです。
ADMが発症する詳しい原因は解明されていませんが、自然に消えないことはわかっています。
特にアジア人に多く見られ、10代後半から20代で発症することが多い症状です。
発症年齢や色、形、分布などからADMと診断します。ADMは、「あざ」に分類されるため、当院では保険適用での治療が可能です。
詳細:ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?治療と予防方法|大阪梅田形成外科クリニック
ADMの治療で使用するレーザー機器
ADMの治療で使用するレーザー機器「ピコレーザー」と「Qスイッチレーザー」の特徴は以下のとおりです。
ピコレーザー | Qスイッチレーザー | |
---|---|---|
照射時間(パルス幅) | 1兆分の1秒 | 10億分の1秒 |
アプローチ方法 | 衝撃波 | 熱エネルギー |
メリット | ・ダウンタイムが短い ・痛みが少ない ・周囲の肌組織へのダメージが少ない |
・色素沈着が起きにくい ・ピンポイントにシミにアプローチするため周囲の組織を傷つけない ・メラニン色素に強く反応するため効率よい治療が可能 |
当院では、ピコレーザーを用いてADMの治療を行います。
ピコレーザーは、衝撃波でアプローチするため、メラニン色素を細かく破壊できます。輪ゴムで弾かれたような痛みを感じることがありますが、他のレーザー機器と比較すると施術中の痛みが少ないのが特徴です。
ピコレーザーは、肌へのダメージが少なく低リスクのレーザーですが、色素沈着の可能性がゼロというわけではありません。副作用として、少量の出血や赤みが出る場合があります。
出血を伴った場合、一般的な傷のようにかさぶたになり、1週間程度で剥がれ落ちます。
かさぶたが剥がれた部分はピンク色になり、徐々に元の肌に馴染みます。
かさぶたになった部分を無理に剥がすと、色素沈着の原因になりかねないため、必要以上に触らないよう注意しましょう。
ダウンタイムや副作用には個人差があります。肌に異変を感じた場合は、自分で処置や判断をせずに医師に相談してください。
詳細:医療機器の紹介|大阪梅田クリニック あざレーザー治療サイト
ADMにおけるレーザー治療の効果
効果 | 詳細 |
---|---|
治療回数 | 3~5回の治療が必要 |
治療間隔 | 通常3~6ヶ月以上 |
治療期間 | 約1年かけて徐々に薄くなる |
アフターケア期間 | 9ヶ月~1年半程度 |
治療効果の見え始め | 通常3ヶ月程度で見え始める |
治療効果の実感 | 6ヶ月程度で治療効果を実感 |
再発の可能性 | ほとんど再発しない |
ピコレーザーとQスイッチレーザーの治療の効果について、以下の3つの観点から解説します。
- 治療回数
- 治療間隔
- 治療期間
ADレーザー治療の回数
ADMは真皮に発症するため、1回のレーザーでは完治しないケースが多く、3~5回の治療が必要となります。
また、1回レーザーを照射しただけでは、症状が改善されたかどうかは見た目ではわかりません。
レーザーを照射する回数自体は多くありませんが、時間がかかるため根気強く治療していく必要があります。
ADMのレーザー治療の間隔
治療間隔は、通常3~6ヶ月です。つまり、半年に1.2回、1年に2~4回ということになります。
治療間隔を長めに設ける理由は、合併症のリスクを回避するためです。
レーザー照射後の色素沈着は、約3~4ヶ月といわれていますが、実際にはもう少し長くかかる場合もあります。
色素沈着が残っている期間にレーザーを照射すると、色素沈着している箇所にレーザーが反応してしまい、ADMへの治療効果を下げてしまう可能性があります。
そのため、十分な治療間隔を空けることが非常に重要です。
ADMは、適切なアフターケアを行いながら、少ないレーザー照射回数で治療を進めます。
ADMのレーザー治療の期間
ADMは、約1年かけて徐々に薄くなっていきます。先述したとおり、治療間隔は3~6ヶ月程度空ける必要があるため、アフターケアの期間を含め、9ヶ月~1年半程度と考えてよいでしょう。通常、3ヶ月程度で治療の効果が見え始め、6ヶ月程度で治療効果を実感できます。
ADMは、治療が完了すると再発の心配もほとんどありません。
ADMにおけるレーザー治療の注意点
ADMをレーザーで治療する際の注意点を2つ紹介します。
ADMの診断と治療方法の選択が重要視される
ADMと診断し、適切な治療法を選択しなければ治療効果を得られないため注意が必要です。
シミの治療に有効とされている光治療や、外用薬や内服薬などはADMに効果がありません。
ADMは特に、そばかすや肝斑の症状と似ていますが、治療方法はまったく異なります。
そばかすや肝斑で行う治療をしても、ADMには効果がありません。
また、ADMと他のシミが混在しているケースも少なくないため、治療計画は慎重に進める必要があります。
治療に時間がかかる
ADMの治療は、効果を得られるまでに時間がかかります。
レーザーを照射して、すぐに治療効果を実感できるあざやシミもありますが、ADMはそうではありません。
ADMの治療経過は、他のあざやシミと比較すると少し特殊なので、治療期間が長くなることを理解しておきましょう。
また、レーザーを照射した箇所にダメージを与えないよう注意しましょう。
ADMの治療において、アフターケアは非常に重要です。
特に、レーザー照射後は肌にダメージが残っているため、毎日の正しいスキンケアと紫外線対策が必須です。
念入りなアフターケアは少し面倒に感じるかもしれませんが、色素沈着を残さないためにもきちんと行いましょう。
ADMのレーザー治療費用
当院では、保険適用(3割負担)でADMの治療を受けられます。
レーザーを照射する範囲や症状によって治療費は変わります。
患者様一人ひとりの症状に合わせて、適切な波長やエネルギーレベルなどを設定し、最大限の効果が出るよう治療を行います。
治療費は人それぞれなので、詳しくは医師にご相談ください。
まとめ
ADMに有効なレーザー治療は、「ピコレーザー」と「Qスイッチレーザー」の2種類です。
ADMの治療には長い時間がかかるため、根気強く治療を続けなければいけません。
また、アフターケアをしっかり行うことでより良い治療効果を期待できます。
当院では、保険適用でADMの治療を受けられます。
安全第一の診察・治療を行なっておりますので、シミやあざでお悩みの方は当院へご相談ください。
あざ治療をご希望の方は、
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