後天性真皮メラノサイトーシス

目次
顔にできたシミがなかなか改善せず、「普通のシミとは違う気がする」とお悩みではありませんか。そのシミは、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)かもしれません。
ADMは一般的なシミとは異なり、美白化粧品やセルフケアでは改善が難しい疾患です。また、肝斑やそばかすと見た目が似ているため、自己判断が難しいという特徴があります。
この記事では、ADMの特徴や原因、ほかのシミとの違い、治療法や予防法について解説します。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?
ADM(Acquired Dermal Melanocytosis)は、後天性真皮メラノサイトーシスと呼ばれる色素性疾患です。
一般的なシミは表皮にメラニン色素が蓄積して発生しますが、ADMは皮膚の深部にある真皮にメラノサイト(色素細胞)が存在することによって発症します。そのため、シミというよりも「あざ」の一種として扱われることがあります。
ADMには、以下のような特徴があります。
・灰褐色や青褐色の色調をしている
・小さな色素斑が点状に集まっている
・両側の頬に左右対称に現れやすい
・目の下や小鼻周辺にも発症する
・20代前後から発症することが多い
・女性に多く見られる
特に東アジア人に多いとされ、日本人女性にもよく見られる疾患です。ADMは自然に消えることはないため、気になる場合は医療機関での治療が必要です。
ADMの原因
ADMの原因は、完全に解明されていません。しかし、以下のような要因が関係していると考えられています。
・遺伝的要因
・紫外線の影響
・女性ホルモンの影響
・摩擦などの慢性的な刺激
不明な点が多いのが現状で、今後の原因解明が期待されています。
ADMとほかのあざとの違い
ADMは肝斑やそばかす、老人性色素斑(一般的なシミ)と見た目が似ているため、自己判断が難しい疾患です。
主な違いは以下のとおりです。
| ADMとほかのシミとの違い | ||||
|---|---|---|---|---|
| 種類 | 色 | 好発部位 | 発症エリア | 発症年齢 |
| ADM | 灰褐色・青褐色 | 頬・目の下・小鼻 | 真皮 | 20歳前後 |
| 肝斑 | 茶褐色 | 頬・額・口周辺 | 表皮 | 20代後半~ |
| そばかす | 茶色 | 頬上部・鼻 | 表皮 | 幼少期~ |
| 老人性色素斑 | 濃い茶色 | 顔全体 | 表皮 | 20代前半~ |
ADMは、肝斑やそばかすと混在しているケースもあります。見た目だけで正確に判断することは難しいため、気になるシミやあざがある場合は専門医の診察を受けることをおすすめします。
大人のあざ・シミの種類や見分け方については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
大人のあざ・シミは治療すべき?種類と後悔しない正しい対処法とは
肝斑との違い
ADMと肝斑は非常によく似た疾患で、頬に左右対称に現れるという共通点があります。
肝斑は比較的均一な茶褐色の色素斑として広がるのに対し、ADMは灰色や青みを帯びた小さな点状の色素斑が集まっているのが特徴です。
そばかすとの違い
両者の大きな違いは、発症年齢です。そばかすは遺伝的な要因が強く、幼少期から見られることが多い疾患です。
また、ADMは思春期以降に発症するケースが多く、色味も青褐色を帯びている点が異なります。
以下の記事で、ADMとそばかすの違いについて詳しく解説しています。
ADMとそばかすの違いは?治療方法や治療に伴う副作用について
老人性色素斑(一般的なシミ)との違い
老人性色素斑(一般的なシミ)は比較的輪郭がはっきりしているのに対し、ADMは小さな色素斑が点状に集まって見られます。
老人性色素斑は加齢や紫外線の影響が大きく、30代以降に現れることが多く、顔だけでなく手の甲や腕などにも発生します。
ADMと思われるあざができたら
頬や目の下に左右対称の色素斑が現れた場合は、専門医を受診しましょう。ADMは、次のような理由から自己診断が困難です。
・肝斑やそばかすと見分けにくい
・複数のシミやあざが混在している場合がある
・症状によって適切な治療方法が異なる
医療機関では、色調・分布・発症年齢などを総合的に評価し診断を行います。放置していても命に関わる疾患ではありませんが、確実に改善を目指すためには、形成外科専門医による正確な診断と、最新レーザー機器を用いた適切な治療が欠かせません。
ADMの治療について
ADMは、真皮と呼ばれる深い層に原因があるため美白化粧品や内服薬で大きく改善することは困難です。根本的な改善を目指すためには、レーザー治療が第一選択となります。
ADMの治療方法
ADMの治療は、レーザーを用いるのが一般的です。当院では、肌への負担が少ないピコレーザーを用いて治療を行います。
ピコレーザーは、「衝撃波」で組織を破壊するレーザー治療です。メラニン色素に直接アプローチするため、周りの肌を傷つける心配がほとんどありません。
肌へのダメージが少なく、ダウンタイム(腫れや赤みなどの副作用)を最小限に抑えられるのが特徴です。また、従来レーザーと比べ短い照射時間で治療できるため、より効率的な治療効果が期待できます。
ADMの詳しい治療方法については、以下の記事をご覧ください。
ADMの治療期間
ADMは1回の治療で完全に消えるケースは多くありません。レーザーによって真皮内で破壊されたメラニン色素が、代謝によって体内に吸収されるまでに時間がかかるためです。
一般的には、以下のような流れで治療を行います。
・数ヶ月間隔で複数回に分けてレーザーを照射
・3~6ヶ月程度かけて経過を観察
深いエリア(真皮)に発症するあざなので、治療効果が出るまでに根気が必要ですが、「すぐに消えない=効果がない」ということではありません。
治療直後に大きな変化がなくても、時間をかけて徐々に薄くなっていくため、焦らず継続することが大切です。
副作用や施術後の注意点
レーザー治療後には、以下のような症状が見られる場合があります。
・赤み
・腫れ
・炎症後色素沈着
・色素脱失(色が白く抜ける)
・軽度の熱傷
また、レーザー照射後は1〜2週間程度、軟膏療法とテープ処置による保護が必要になります。
副作用のリスクや施術に関する注意点は、施術前に医師からしっかりと説明を行います。それらを踏まえ、納得いただいた上で治療を受けていただけますのでご安心ください。
ADMにかかる治療費
ADMの治療費は、レーザーを照射する範囲や症状によって異なります。当院では、主に以下の治療を行っています。
| ADM治療にかかる治療費 | |
|---|---|
| 治療内容 | 費用 |
| ピコスポット | 500円 / 1ショット |
| ピコトーニング | 9,000円 |
なお、ADMは保険治療が可能です。詳細は以下の記事をご覧ください。
ADMの予防方法
ADMの発症原因は完全には解明されていませんが、色素細胞を刺激しない生活習慣を心がけることで、発症や再発の予防につながる可能性があります。
正しいスキンケアをする
肌への過度な摩擦は、色素細胞を刺激する原因の一つです。洗顔時は洗顔料を十分に泡立てて、手でこすらず泡で包み込むように優しく洗いましょう。
また、クレンジングやスキンケアの際も強くこすらないことが大切です。洗顔後は速やかに保湿を行い、肌のバリア機能を維持してください。
化粧水や乳液などは、製品によって含有成分が異なります。肌に合わないと感じた際はすぐに使用をやめ、自分の肌質に合った製品を使いましょう。
紫外線予防をする
紫外線はメラニンの生成を促進するため、ADMの悪化や再発リスクを高める可能性があります。 夏場だけでなく年間を通して、以下のような紫外線予防を行いましょう。
・日焼け止めの塗布
・帽子の着用
・日傘の使用
・サングラス
・UVカット衣類
紫外線予防をしても、すぐに肌の変化が見られるわけではありませんが、数年後の肌の状態に大きく影響します。日々の積み重ねが重要です。
生活習慣を見直す
無意識に行っている習慣が、肌に負担をかけている場合もあります。特に以下のような習慣に心当たりがある方は、見直しをおすすめします。
・睡眠不足
・偏った食生活
・過度なストレス
・頻繁に顔を触る、こする癖
外的刺激や生活リズムの乱れを減らすことが、ADMをはじめとする色素トラブルの予防につながります。
ADMに関するよくある質問
Q. ADMは自然に消えますか?
A. ADMが自然に消えることはありません。放置しても改善する可能性は低いため、根本的に綺麗にしたいとお考えの場合は、医療機関へご相談ください。
Q. ADMができやすい人はいますか?
A. 20代前後の女性に多く見られ、特に東アジア人に発症しやすい傾向があります。遺伝や女性ホルモンなどが関係していると考えられていますが、詳しい原因はまだ完全にはわかっていません。
Q. ADMは再発しますか?
A. レーザー治療で綺麗になった後でも、再発する可能性はゼロではありません。そのため、治療後も継続的な紫外線対策と摩擦を避けるスキンケアが重要です。
まとめ
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、真皮に存在するメラニン色素によって生じる色素性疾患です。頬や目の下に左右対称に現れることが多く、肝斑やそばかすと見た目が似ているため自分で見分けるのは困難です。
また、ADMは自然治癒やセルフケアでの改善が難しいため、レーザー治療が中心となります。適切な治療を受けるためには、まず専門医による正確な診断が欠かせません。
当院では、形成外科専門医による診察のもと、一人ひとりの症状に合わせた治療をご提案しています。気になるシミやあざでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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