毛細血管拡張症と酒さの違いとは?症状や原因・治療法を詳しく解説!
「顔に赤みがあるが、何の疾患なのかわからない」
「調べても毛細血管拡張症と酒さの違いがわからない」
といったように、毛細血管拡張症なのか酒さなのか区別がつかず、気になってしまう方は少なくありません。
毛細血管拡張症も酒さも共に「赤ら顔」とも呼ばれ、一見すると症状は似ていますが、それぞれ原因や治療方法が異なる疾患です。
本記事では、毛細血管拡張症と酒さの違いを解説し、Vビーム照射によるレーザー治療方法を紹介します。
毛細血管拡張症と酒さの違い
毛細血管拡張症と酒さは、どちらも顔にできることが多い疾患です。それぞれの特徴や自覚症状の違いについて解説します。
主な症状の違い
毛細血管拡張症と酒さの主な特徴や症状の違いは以下のとおりです。
種別 | 毛細血管拡張症 | 酒さ |
---|---|---|
特徴 | ・毛細血管が広がり、もとに戻らない ・赤みがあり自然に消えない ・炎症を伴わない |
・毛細血管の広がり ・顔の赤み ・赤く盛り上がる ・膿を伴うぶつぶつ |
自覚症状 | ・基本的に自覚症状はないが熱感 ・痛みを感じる場合がある |
・ほてり ・ヒリヒリする ・かゆみ ・チクチクとした痛み ・肌の乾燥 ・むくみ ・眼のかゆみ・充血・乾燥 ・まぶたの炎症・しこり |
できやすい場所 | ・ほほ ・鼻 |
・ほほ ・ひたい ・鼻 ・あご |
毛細血管拡張症は、痛みやかゆみなどが基本的にありません。
ニキビのような凹凸もなく、赤みだけがある状態です。
酒さは、ヒリヒリ感やかゆみなどの自覚症状があり、ニキビのような症状もあります。
肌がでこぼこになったり、自覚症状がある場合には酒さの可能性もあります。
毛細血管拡張症は、自然には治らない疾患であり、酒さは改善する場合があるものの、すぐに治ることはほとんどありません。
そのため、赤みや自覚症状がすぐになくなってしまった場合には、まったく別の疾患にかかっている可能性もあります。
原因の違い
毛細血管拡張症と酒さの原因の違いは以下のとおりです。
種別 | 毛細血管拡張症 | 酒さ |
---|---|---|
主な原因 | ・遺伝 ・加齢 ・女性ホルモンの影響 ・寒暖差 ・飲酒や香辛料の摂取 |
現在原因は不明であるが、以下の要因が影響していると考えられている。 ・紫外線 ・気温の変化 ・精神的ストレス ・飲酒や香辛料の摂取 ・遺伝 |
毛細血管拡張症は女性に発症することが多く、
女性ホルモンが配合された薬の服用時にも起こりやすくなると言われています。
そのため、女性ホルモンバランスの影響による発症も考えられています。
酒さの原因については現在不明ですが、考えられる要因はさまざまであり、上記の要因がいくつか重なることで発症すると言われています。
毛細血管拡張症とは
毛細血管拡張症とは、毛細血管が広がったまま戻らなくなった症状のことです。
広がった毛細血管の血流が多くなり、血管が透けるため肌が赤く見えます。
毛細血管は、表皮の内側にある真皮層の浅い部分にあり、顔にも多く存在します。
以下に、毛細血管拡張症について、種類や治療法を解説します。
毛細血管拡張症の種類4つ
種類 | 状態 |
---|---|
単純(線状)型 | 枝分かれのない毛細血管が広がっている |
樹枝状型 | 広がった毛細血管が枝分かれしている |
クモ状型 | 広がった毛細血管がクモの巣のように広がっている |
丘疹型 | 広がった毛細血管により皮膚の表面がわずかに盛り上がり、丘疹の周囲に広がった毛細血管が確認できる |
毛細血管の広がり方はさまざまです。酒さと違い、皮膚に凹凸が出ることはほとんどありません。
ただし、丘疹型の場合は皮膚が盛り上がることもあります。
治療法
毛細血管拡張症は自然には治らないため、治療が必要であり、形成外科もしくは皮膚科で治療できます。
国内において承認されている薬剤はないため、基本的に投薬による治療法はありません。
効果的な治療は、Vビームを照射するレーザー治療となります。
Vビームを使用した治療は保険適用が可能です。
酒さとは
酒さとは、主に顔の中心部に赤みやほてり、ニキビ状の症状が出る慢性炎症性疾患です。
30〜50歳くらいに多く発症し、女性の方が多い傾向があります。
酒さは自然には治りにくく、またいくつかの自覚症状があります。
酒さの種類や治療法について以下に解説します。
酒さの種類4つ
酒さは症状により以下の4つに分類されます。
種別 | 症状 |
---|---|
紅斑毛細血管拡張型 | 毛細血管が広がり、肌に赤みが見られる |
丘疹膿疱型 | 赤く盛り上がり、うみの溜まったぶつぶつができる |
瘤腫型 | 皮膚が厚くなりこぶ、固まりができる |
眼型 | 目やその周辺に症状がある。炎症、異物感、乾燥、かすみ、まぶしさなど |
紅斑毛細血管拡張型のように肌に赤みが出るだけの症状もあれば、丘疹膿疱型のようにニキビのようなぶつぶつができることがあります。
ただし、丘疹膿疱型は毛穴が詰まっているわけではないため、ニキビとは別の疾患です。
酒さは皮膚が厚くなり、でこぼこに盛り上がる場合もあります。
瘤腫型が鼻に発症したまま放置し、いわゆる団子鼻になった状態が鼻瘤です。
また、酒さは結膜炎など眼球に症状が出ることがあり、上記の症状が複数発症する場合もあります。
治療法
酒さの主な治療方法は、Vビームによるレーザー治療や投薬治療です。
レーザー治療は、酒さのさまざまな症状に幅広く効果が見込めます。
投薬治療には、内服薬と塗り薬があります。
塗り薬は殺菌作用や炎症軽減効果があり、特にニキビのような症状に有効です。
毛細血管拡張症や酒さを悪化させないための注意点
毛細血管拡張症や酒さは、いち早くクリニックで受診することが大切ですが、悪化させないように日頃からケアをすることも重要です。
悪化させないための注意点は以下のとおりです。
- 肌への強い刺激を避ける
- 紫外線を避ける
- 高温・低温・温度差のある環境を避ける
- アルコール・香辛料・熱い食べ物など避ける
- ストレスをためない
- 激しい運動は避ける
洗顔では、低刺激な洗顔料を使用し、優しく洗顔します。熱いお湯で洗ったり冷たい水で引き締めたりもしないほうが良いでしょう。洗顔後の保湿も重要です。
紫外線も肌に悪影響なので、帽子やサングラス、UV加工された衣服の着用や日傘などで対策しましょう。
体を温める食べ物や血流を増やす飲酒などは、極力控えましょう。自律神経の乱れは肌に悪影響なので、適度な運動や睡眠によってストレスを発散することが重要です。
ただし、激しい運動は血流を上げて悪化させてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
毛細血管拡張症と酒さに効果があるレーザー治療
前述したように、Vビームによるレーザー治療であれば、毛細血管拡張症と酒さ両方の治療が可能です。
当院ではVビームプリマという最新機器を使った治療を行っています。
Vビームプリマについて、治療の効果やダウンタイム、施術料金を解説します。
レーザー治療の効果
Vビームプリマは、2020年に登場した新しいレーザー機器です。
波長595nmのロングパルスダイレーザーを患部に照射し、異常がある毛細血管を収縮および破壊することで、赤みを治療します。
レーザーは、血管の幅に合わせた設定ができ、肌の深層まで届くため症状に合わせ的確に治療可能です。
照射幅は3〜15mmと幅広く、また幅の微調整も可能であるため、患部の面積に合わせた治療ができます。
患部に冷却ガスを噴出しながら照射するため、周辺組織へのダメージが少ないのが特徴です。
詳細:当院ではVビームPrima・ピコシュアを使って治療を行っています
ダウンタイム
施術当日〜2日後くらいまでは、照射部分に赤みやヒリヒリ感があり、1週間後くらいまでは腫れが続くことがあります。
レーザーを高い出力で照射した場合や、照射箇所により内出血が出る場合がありますが、1〜2週間程度で治ります。
また、強い照射により水疱(すいほう)やかさぶたが稀にできることがあります。
レーザー照射による炎症で色素沈着する場合がありますが、3〜6ヶ月程度で落ち着くことがほとんどです。
施術料金・保険適用
Vビームプリマによる施術は、保険適用で治療できるものもあります。
保険適用によるVビームプリマの施術料金の例は以下のとおりです。
面積 | 10㎠まで | 20㎠まで | 30㎠まで | 40㎠まで |
---|---|---|---|---|
1割負担 | 2,720円 | 3,220円 | 3,720円 | 4,220円 |
3割負担 | 8,140円 | 9,640円 | 11,140円 | 12,640円 |
上記は、1回の治療費です。症状により、効果的な治療には複数回の施術が必要です。
また、レーザーを照射する範囲によって料金が変わります。
詳細な当院の受診料金表はこちらをご覧ください。
クリニックへご相談ください
毛細血管拡張症と酒さは、どちらも赤みが出る疾患です。
当院では最新機器を使用した治療を行っており、あざ全般でお悩みの際はぜひご相談ください。
毛細血管拡張症と酒さは、どちらも赤みが出る疾患です。毛細血管拡張症は、炎症を伴わず自覚症状もほとんどありません。
酒さは、肌の厚みやでこぼこがあり、かゆみや痛みなどの自覚症状があります。
毛細血管拡張症の主な治療法はレーザー治療であり、酒さの治療においてもレーザー治療が効果的です。
症状によっては保険適用でレーザー治療を受けることができます。
当医院では、皮膚科と形成外科の専門医が在籍しており、レーザー治療を専門に行っています。
最新機器を使い、多くのあざ治療を施術してきており、あざ全般でお悩みのときはぜひ相談してください。
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