汗管腫はクリームや抗生物質の市販薬で治る?注意点と正しい対処法

目の周りにできる小さな白いブツブツは、汗管腫という皮膚の疾患である可能性があります。ニキビや稗粒腫と見た目が似ているため、市販のクリームや抗生物質で対応しようとする方も少なくありません。
しかし、汗管腫は皮膚の深い層にできる良性の腫瘍であり、市販薬では改善が難しいです。そのため治療を希望する際は、医療機関で正しい治療を行うことが大切です。
汗管腫に市販薬は効果があるのか?
汗管腫は目のまわりなどにできやすい小さなブツブツした良性の腫瘍です。目立つ場所にできることから、手軽に「市販薬で治したい」と考える方も少なくありません。
また、ネットやSNSでは治療法として、「保湿クリーム」「ヨクイニン」「イボコロリ」などが紹介されることもありますが、実際に効果は立証されていません。
ここでは、「それぞれの市販薬が本当に有効なのか」について薬の種類ごとに詳しく解説します。
クリーム系の塗り薬
汗管腫には「保湿クリーム」や「ヨクイニン配合の塗り薬」が効くと思われがちですが、残念ながらこれらの市販薬で治すことはできません。
確かに、市販されているクリームには植物由来の成分が含まれ、保湿や肌のターンオーバーをサポートするものも多くあります。「肌をなめらかに整える」「角質をやわらげる」といった効果は期待できますが、汗管腫は皮膚の深い部分にできる良性腫瘍のため、こうした塗り薬では十分に浸透せず、根本的な改善には期待できません。
見た目が気になるからといって自己判断によるセルフケアを行うのではなく、医療機関で適切な診断と治療を受けることが必要です。
抗生物質
汗管腫には抗生物質は効果がないため、治療で用いられることはありません。抗生物質とは、主に細菌感染に対して用いられる薬であり、汗管腫のような良性腫瘍には効果がないためです。
汗管腫は、炎症や感染が原因ではないため、抗生物質を塗っても飲んでも改善することはないでしょう。ニキビや吹き出物と見た目が似ていることから、市販の抗生物質入り軟膏を試す方もいますが、効果は期待できません。
もし、ニキビと思って抗生物質を使用し、改善が見られない場合は別の疾患の可能性も考えられるため、一度皮膚科を受診することをおすすめします。
イボコロリ
イボコロリは、サリチル酸という角質を軟らかくする成分を使用した、ウイルス性のイボなどを取り除く市販薬です。しかし、汗管腫はウイルス性ではなく、汗腺の細胞が増殖してできる良性腫瘍のため、イボコロリで治すことはできません。
逆に、誤って使用すると皮膚が炎症を起こすケース、目の周りなどデリケートな部位ではサリチル酸が目に入る危険性もあるため、注意しましょう。
汗管腫はセルフケアでは治らない
汗管腫は、ニキビや稗粒腫、老人性のイボなどと見た目が似ているため、間違ったセルフケアを行う方が多くいらっしゃいます。しかし、汗管腫は皮膚の深部にあるエクリン汗腺由来の腫瘍であり、一般的なスキンケアや市販薬などセルフケアでは改善できません。
セルフケアを行うことで、一時的に見た目が良くなったように感じても、腫瘍自体を取り除けているわけではなく、根本的な治療にはなりません。
また、間違ったケアを繰り返すことで、肌トラブルや色素沈着を引き起こすこともあります。例えば、インターネットで紹介されているマッサージ法や天然オイルによるケアも、効果が医学的に証明されているわけではなく、症状を悪化させることもあるでしょう。
さらに、専門医であっても稀に稗粒腫などと誤診され、液体窒素や表皮ピーリングといった不適切な治療が行われる場合もあります。これらは汗管腫には効果がないばかりか、炎症や色素沈着の原因となることもあるため注意が必要です。
汗管腫は時間の経過とともに増えたり広がったりすることもあるため、気になる症状がある場合は自己判断を避け、専門医に相談して正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。
セルフケを試す前に気をつけたい3つのポイント
汗管腫を「セルフケアで治したい」と考える時に気を付けたいポイントを3つご紹介します。
無理に押し出さない
汗管腫をニキビなどの他のできものと間違えて、爪や器具で無理に押し出そうとする方がいますが、これは絶対に避けるべき行為のひとつです。汗管腫は皮膚の深い部分にできる良性腫瘍であり、表面を押しても腫瘍部分が取れることはありません。
無理に力を加えることで、皮膚に傷がつく場合や炎症、色素沈着、さらには傷跡が残ってしまうリスクもあります。
また、目のまわりは特に皮膚が薄くデリケートなため、少しの刺激でもトラブルになりやすい部位です。見た目が気になっても無理に押し出すことは控え、必ず専門医で診断と治療を受けることが大切です。
スキンケアで保湿を行う
汗管腫の悪化や再発を防ぐには、毎日のスキンケアを丁寧に行うようにしましょう。特に意識したいのは、肌への強い刺激を避けることと、十分な保湿を心がけることです。
洗顔時にゴシゴシこすったり、熱すぎるお湯を使ったりすると、肌に必要な潤いまで奪われてしまい、バリア機能が低下して肌トラブルを引き起こす恐れがあります。洗顔は、たっぷりの泡で包み込むようにやさしく行い、ぬるま湯で洗い流すことがおすすめです。
洗顔後はすぐに保湿ケアを行い、肌のうるおいを保ちましょう。保湿だけで汗管腫が治るわけではありませんが、肌の状態を整えることで再発予防や悪化のリスクを減らすことにつながります。
自己判断による間違った治療行為
汗管腫は、自己判断で間違った治療を行ってしまう方が非常に多くなっています。特に注意が必要なのが、液体窒素やピーリングなどの処置です。
液体窒素はウイルス性のイボには有効ですが、汗管腫は皮膚の深部にできる腫瘍のため、表面を凍結させるだけでは改善しません。逆に、炎症や色素沈着を引き起こし、肌トラブルの原因になることもあります。
また、ピーリングは角質層を除去する治療ですが、これも汗管腫には効果がありません。見た目が似ているからといって、ニキビや稗粒腫と勘違いして処置を行うことは避けましょう。
正しい治療法
汗管腫は様々な種類の治療が用いられますが、ここでは代表的な3つの治療法を解説します。
炭酸ガスレーザー
汗管腫の治療でよく使用されるひとつとして、炭酸ガスレーザーがあります。この方法は、皮膚内の水分に反応して熱を発生させ、腫瘍部分を蒸散させて取り除くという仕組みです。
出血がほとんどなく、周囲の正常なお肌への影響も最小限に抑えられるのが特徴です。治療では局所麻酔を行い、汗管腫一つひとつに丁寧にレーザーを照射していきます。麻酔が効いているため、施術中の痛みはほとんど感じず、痛みに不安がある方でも安心です。
ポテンツァ
ポテンツァは、極細の針を皮膚の真皮層まで挿入し、高周波を照射すると同時に薬剤を注入することで、汗管腫を根本的に治療できる最新の治療です。
今まで主流であった炭酸ガスレーザーや外科的切除といった治療法は、肌を削ることで傷跡が残るリスクがありましたが、ポテンツァは肌表面へのダメージが少なく、ダウンタイムも短いのが大きな特長です。
そして、針の長さや本数、照射モードなども細かく調整できるため、患者一人ひとりの肌の状態や汗管腫の深さに合わせてオーダーメイドの治療ができる点でも高く評価されています。
施術中は麻酔クリームを使用するため、施術中の痛みも最小限に抑えられ、安心して治療を行えるのも魅力の一つです。施術後は軽い赤みが出ることがありますが、数時間〜数日程度で落ち着きます。メイクに関しては翌日から可能になるため、仕事や日常生活への支障が少なく、忙しい方でも取り入れやすくなっています。
そしてこの治療は、汗管腫だけでなく、同時にニキビ跡や肌の引き締め、毛穴の開き、たるみなど様々な効果にも期待できます。あらゆる肌悩みを抱えている方に今人気となっている最新の美容治療です。
アグネス
アグネスは、極細の針を汗管腫に直接挿入し、針先から高周波を照射して腫瘍の奥に熱を加えることで、腫瘍を徐々に縮小していく治療法です。皮膚表面に開ける穴は非常に小さく、すぐに塞がるため、ダウンタイムや目立つ傷が少ないことが特徴です。
アグネスでは傷跡が残る心配が少なく、肌へのダメージも最小限に抑えて治療ができます。さらに、照射する熱により同時にコラーゲン生成の促進が行われるので、肌状態の改善にも期待できる治療法です。
気になる場合は当院にご相談ください
汗管腫は、見た目が他の疾患に似ていることから、市販のクリームや抗生物質で治そうとする方が多いですが、市販薬では根本的な改善はできません。
汗管腫とは、皮膚の深部にできる良性腫瘍であり、セルフケアでは治らず、間違ったケアは逆効果になることもあるでしょう。見た目が気になる場合は、形成外科専門医が在籍している当院にご相談ください。
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