汗管腫と稗粒腫の見分け方とは?それぞれの特徴と違いを徹底解説
目次
顔にできる白くて小さなぶつぶつには、いくつかの疾患が考えられます。中でも稗粒腫、汗管腫、白ニキビ、脂腺増殖症、粉瘤(ふんりゅう)は、見た目がよく似ており、一般の方には自己判断が難しい疾患です。
それぞれ原因や適切な治療法が異なるため、見た目だけで判断して誤ったケアを行うと、かえって悪化してしまうことも少なくありません。そこで今回は、稗粒腫の特徴や原因、よく似た疾患との違い、見分け方について詳しく解説します。
稗粒腫とは
稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、皮膚の表面近くに1〜2mmほどの小さな白〜黄白色の粒状のふくらみができる良性腫瘍です。触ると少し硬く、表面には光沢があります。ふくらみの中には、脂肪や膿(うみ)ではなく、古い角質が詰まっています。
特に目の周り(まぶたや目の下)や鼻先、あごなどの顔周りにできやすいのが特徴です。
稗粒腫の症状
皮膚表面にできものとして現れるだけで、痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありません。感染症とは違い、炎症や化膿を引き起こしているわけではなく、他人にうつることもありません。
稗粒腫を放置するとどうなる
稗粒腫は比較的安定した腫瘍であり、放置していても健康上の問題はありません。
新生児にできる稗粒腫の多くは数週間で自然に消えます。一方、成人の場合は自然に排出されて消えることも稀にありますが、長期間そのまま残ることがほとんどです。
ごく稀に、3mmを超えるような大きさになったり、数が増えて顔面の左右に広がったりする場合もあります。健康上はリスクはありませんが、目の周りなど目立つ部位にできるため、美容上の観点から除去治療を希望される方が多い疾患です。
稗粒腫の原因
稗粒腫は、古い角質が皮膚の中に袋状に溜まっている状態です。毛穴の詰まりや古い角質がスムーズに剥がれ落ちずに、皮膚内にとどまることが原因として考えられていますが、明確なメカニズムは完全には解明されていません。
多くは、加齢や皮膚のターンオーバーの乱れ、摩擦などの日常的な刺激により発生します。また、やけどや擦り傷などのケガをきっかけに二次的にできることもあります。
稗粒腫と似た皮膚疾患の見分け方
顔にできる白いブツブツには、稗粒腫以外にも似た疾患があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
| 稗粒腫と似た疾患の特徴 | ||
|---|---|---|
| 疾患名 | できやすい部位 | 特徴 |
| 汗管腫 (かんかんしゅ) |
顔面(特に下まぶた・額・頬)、首、胸、腹 | ・直径1~3mmの小さな皮膚の膨らみ ・肌色または少し黄色い ・炎症や膿は出ない |
| 白ニキビ | 顔面(額・鼻・あご・頬)、胸、背中、首 | ・直径1〜2mm程度の小さな皮膚の膨らみ ・白色または肌色で表面は滑らか ・赤みや腫れはほとんどない ・集中して発生することが多い |
| 脂腺増殖症 (しせんぞうしょくしょう) |
顔面(鼻・額・頬)、首、胸、背中 | ・1〜5mm程度の膨らみ(進行すると6mm程度にも) ・膨らみの中心部がわずかにへこんでいる ・黄白色で表面は滑らか |
| 粉瘤 (ふんりゅう) |
顔面、耳、首、脇、胸、背中、おしりなど | ・数mm〜10cm以上の皮膚の膨らみ ・炎症がなければ肌色〜白色 ・膨らみの中央に小さな黒い点がある ・触ると皮膚の下でしこりが動く |
これらの疾患は大きさや色などの外観が非常に似ているため、特徴だけを見てご自身で正確に判断するのは困難です。不安な場合は、一度クリニックで診察を受けることをおすすめします。
汗管腫(かんかんしゅ)
汗管腫は、汗を出す器官であるエクリン汗腺から発生する良性腫瘍です。痛みやかゆみなどの症状はほとんどなく、他人にうつることもありません。
思春期以降〜40代くらいまでの女性に多くみられ、主に目の下やまぶたに発生します。遺伝やホルモンバランスの乱れ、紫外線や肌への刺激などが要因と言われていますが、根本的な原因ははっきりしていません。自然治癒することはないため、美容目的で治療される方が多いです。
詳しい原因についてはこちら
汗管腫の原因とは?効果的な改善策と再発防止策について解説
白ニキビ
白ニキビは、正式には閉塞面皰(へいそくめんぽう)と呼ばれる、初期段階のニキビです。角質や皮脂によって毛穴がふさがり、皮脂が外部に排出されずに溜まってしまった状態を指します。皮脂の過剰分泌やターンオーバーの乱れが主な原因です。
稗粒腫と違い、塗り薬や内服薬での治療が可能です。自分で潰すと炎症を起こし、跡が残る恐れがあるため注意が必要です。
脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)
脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)は、皮脂を分泌する皮脂腺が増殖して大きくなることで発生する良性の腫瘍です。盛り上がった部分の中央部が少しくぼんでいるのが特徴です。
30〜40代に多く発症しますが、20代でも見られます。健康上の問題はありませんが、自然には治らず、加齢と共に大きくなったり数が増えたりするため、治療を希望される方がいます。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の中にできた袋状の組織に、角質や皮脂などが溜まってできる良性の腫瘍です。盛り上がった皮膚の中心部分に黒い点(開口部)が見える場合があるのが特徴です。
自然に治ることはなく、少しずつ大きくなる傾向があります。細菌に感染すると赤く腫れて痛みを伴い、化膿することもあるため外科手術中の袋ごと切開・摘出する治療が一般的です。
稗粒腫を自分で取るのは危険?セルフケアの注意点
「見た目が気になるから」と、稗粒腫を自分でなんとかしようと考える方も少なくありません。しかし、自分で針を刺したり、爪で無理やり潰して押し出そうとしたりするのは大変危険です。
不衛生な状態で触ると、細菌が入り込んで化膿し、強い炎症や色素沈着を引き起こす恐れがあります。また、クレーターのような傷跡が残ってしまうリスクも高いため、自己処理は絶対に避けましょう。
症状の悪化や跡を残さないためにも、まずは専門医による正しい診断と処置を受けることが重要です。日頃の予防としては、適切な保湿、紫外線対策、肌のターンオーバーを整える生活習慣を心がけましょう。
稗粒腫は何科を受診すべき?
稗粒腫は皮膚疾患であるため、基本的には皮膚科で診察を受けます。
しかし、顔や目の周りといった目立つ部位の治療になるため、仕上がりの美しさを重視する場合は、傷跡の修復を専門とする形成外科や美容皮膚科を受診するのがおすすめです。より美容面に特化した、跡が残りにくい治療を受けることができます。
稗粒腫の治療について
クリニックで行われる代表的な稗粒腫の除去方法や、料金目安、ダウンタイムについて解説します
稗粒腫の除去方法
稗粒腫の治療法は、主に圧出法とレーザー治療の2種類です。
圧出法
まず専用の極細の針やメスの先で稗粒腫に小さな穴を開けます。次に専用の器具(面皰圧出器など)を使い、中に溜まった角質を押し出す方法です。
レーザー治療(炭酸ガスレーザーなど)
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)等を用いて、稗粒腫に極小の穴を開けて内容物を取り除く方法です。出血が少なく、デリケートなまぶた等にもピンポイントで照射できるため、数が多い場合や仕上がりの綺麗さを求める方に人気です。
稗粒腫除去の料金目安
稗粒腫の治療は、治療方法や目的によって保険適用になる場合と自費診療になる場合があります。
圧出法
保険適用になることが多く、数百円〜数千円程度が目安です。
レーザー治療
美容目的の自費診療でクリニックによって異なりますが、、1個あたり3,000円〜10,000円程度が相場です。
※実際の料金は治療個数やクリニックによって異なるため、事前に確認しましょう。
稗粒腫除去後のダウンタイム
圧出法
数日で赤みが引き、傷口は数日〜1週間程度でふさがります。
レーザー治療
照射箇所がかさぶたになり、1〜2週間ほどではがれ落ちます。その後、1〜3ヶ月ほど薄い赤みが残る場合がありますが、徐々に肌色に馴染んでいきます。
稗粒腫治療の流れ
当院での一般的な治療の流れは以下の通りです。
診察・カウンセリング
まずは医師が患部を丁寧に診察し、疾患の種類を正確に診断した上で、最適な治療計画をご提案します。
施術
施術当日は、必要に応じて局所麻酔などを行い、圧出法やレーザーを用いて治療を行います。痛みへの配慮も行っております。
アフターケア
施術後は患部に軟膏を塗り、保護テープを貼ってお帰りいただきます。ご自宅では患部を清潔に保ち、摩擦や紫外線を避けるようにしてください。シャワーは当日から、入浴は翌日から可能です。
稗粒腫にお悩みの方は当院にご相談ください
稗粒腫をはじめ、白ニキビや汗管腫など顔にできる小さなボツボツにはさまざまな種類があり、それぞれ適切な治療法が異なります。
「ただのニキビだと思って自分で潰したら、跡が残ってしまった」というケースも後を絶ちません。自己判断での処置は悪化のリスクが伴うため、少しでも気になるできものがあれば、早めにクリニックへご相談ください。
当院は、あらゆるできものを専門的に扱う形成外科クリニックです。豊富な治療法を取り揃え、患者様の症状や「綺麗に治したい」というご希望に沿った最適な治療をご提案いたします。土日も診察を行っておりますので、できものでお悩みの方は、ぜひ一度当院へお気軽にご相談ください。
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