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汗管腫と稗粒腫の見分け方とは?それぞれの特徴と違いを徹底解説

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顔にできる白くて小さなぶつぶつには、いくつかの疾患が考えられます。中でも「汗管腫」「稗粒腫」「エクリン汗嚢腫」は、見た目がよく似ていて、自己判断が難しくなっています。

 
そして、それぞれ原因や治療法が異なるため、見た目だけで判断して誤ったケアを行うと、悪化してしまうことも少なくありません。

 
そこで今回は、汗管腫と稗粒腫の特徴や原因、治療法の違い、そして正しい見分け方について詳しく解説します。

 

汗管腫と類似疾患の特徴と原因について

汗管腫は、目のまわりに小さなブツブツとして現れる良性の皮膚疾患ですが、同じような見た目をもつ「稗粒腫」や「エクリン汗嚢腫」と間違われることも多いです。

 
ここでは類似疾患との特徴や原因を解説します。

 

特徴 原因
汗管腫 1〜3mmの肌色〜黄色の小さなブツブツ
目の下・額・頬などに発生しやすい
明確には判明していない。
女性ホルモンの影響やエクリン汗腺の増殖が考えられる
稗粒腫 1〜2mmの白〜黄白色の粒状。目のまわりや鼻先などにできやすくい 毛包に角質が蓄積することが原因。
エクリン汗嚢腫 数mm〜1cmの透明〜青白いドーム状のふくらみ。光を通す「透光性」がある 明確には判明していない。
汗腺の閉塞や拡張

 

汗管腫

汗管腫(かんかんしゅ)は、目のまわりや額にできやすい良性腫瘍で、1〜3mmほどの小さなブツブツのような見た目が特徴です。そして、腫瘍の色としては、肌色や黄色っぽく見える方が多くなっています。

 
痛みやかゆみといった自覚症状はほとんどありませんが、見た目が気になることから治療を希望される方も少なくありません。

 
この腫瘍は思春期以降の女性に多く見られる疾患で、女性ホルモンの影響やエクリン汗腺の増殖が関係していると考えられていますが、原因は明確には解明されていません。他にも、加齢や遺伝的な体質も関係している可能性があると言われています。

 
汗管腫は、顔だけでなく、腹部やわきの下、手足など体のあらゆる部分に発生することもあります。汗管腫は良性ではありますが、治療で完全に取り除けなかった場合は再発することがあるため、適切な治療と術後観察が大切な疾患です。

 

稗粒腫

稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、皮膚の表面近くに1〜2mmほどの小さな白〜黄白色の粒状のふくらみができる良性腫瘍です。特に目のまわりや鼻先、あごなどの顔まわりにできやすく、見た目が白ニキビに似ているのが特徴です。

 
自覚症状はほとんどなく、健康への影響もありません。しかし目立つ部位にできることが多いため、特に女性では美容的な理由で除去を希望される方が多くなっています。

 
稗粒腫ができる原因としては、毛穴の奥にある毛包(もうほう)に古い角質がたまってしまうことで発生すると言われてきました。脂肪の塊と間違われやすいですが、実際には角質のかたまりが皮膚表面から透けて見えている状態です。新陳代謝の低下も発生原因に関係していることから、加齢ややけどやケガ、水ぶくれなどをきっかけにできることもあります。

 
男女問わず誰にでもできる可能性はありますが、特に代謝が落ちてきた中高年や、皮膚が敏感な方に多くみられる傾向があります。

 

エクリン汗嚢腫

エクリン汗嚢腫(えくりんかんのうしゅ)は、皮膚の浅い層にできる良性の嚢胞で、特に目のまわりなど顔の目立つ部分にできやすいのが特徴です。大きさは数ミリ〜1cmほどで、ドーム状にふくらんでいます。

 
透明や青白く見えることが多く、光にかざすと中が透けて見える「透光性」があります。痛みやかゆみといった自覚症状はほとんどないですが、治療を希望する方が多い腫瘍のひとつです。

 
原因としては完全には判明していませんが、エクリン汗腺の管が詰まること、拡張すること、で内部に汗に似た透明な液体がたまり、嚢胞が形成されると考えられています。他にも、紫外線の影響や暑さ、湿気による刺激が発生しやすい環境となっている可能性もあります。

 
比較的まれな疾患ではありますが、高齢者や成人女性にやや多く見られる傾向があります。まれに炎症や線維化を伴うこともあるため、自覚症状があるなど、気になる場合には診察を検討することをおすすめします。

 

それぞれの違いと見分け方

ここでは、それぞれの腫瘍のできやすい部位や見た目の違いを解説します。汗管腫と他の疾患を見分ける参考にしてください。

 

できやすい部位 進行の仕方
汗管腫 目の下・額・頬など ゆっくり
稗粒腫 まぶたや目の下、鼻先、あごなど ゆっくり
エクリン汗嚢腫 目の周囲 目の周囲

 

できやすい部位や数

汗管腫は、目の下に最もできやすいですが、額や頬にも広がることがあります。顔以外にも体幹や手足に見られることもあり、1つだけでなく数個から多数が左右対称に並ぶように現れるのが特徴です。

 
一方、稗粒腫はまぶたや目の下、鼻先、あごなど顔の目立つ部位にできやすいです。通常はひとつ、もしくは数個程度と少なめとなっています。

 
エクリン汗嚢腫も目の周囲に多く見られますが、数は1〜数個と少なく、透明から青白いドーム状のふくらみが特徴です。光を当てると透けて見える「透光性」があるのもこの疾患特有と言えます。
こうした「できやすい部位」や「できる数」の違いを知っておくと、それぞれの疾患を見分ける際の手がかりになります。

 

進行の仕方や変化

汗管腫はゆっくりと数が増えていくことがあり、思春期以降に目立ちはじめることが多いです。加齢とともに少しずつ広がるケースもあり、自然に消えることはほとんどありません。

 
稗粒腫は比較的安定しており、急激な変化は見られませんが、自然に排出されて消える場合もあります。ただし、放置しても長期間残ることが多いため、治療を行う方が多くなっています。

 
エクリン汗嚢腫は高温多湿の環境で一時的に目立つことがあり、季節や気温の変化で大きさが変わることがあります。基本的には良性腫瘍になりますので、広がりや悪化などはゆっくりです。

 

治療法と費用相場

ここではそれぞれの疾患の治療法と費用相場を解説します。

 

汗管腫

汗管腫の治療には、ポテンツァ、炭酸ガスレーザー、エルビウムヤグレーザーといった方法が一般的に用いられています。

 
なかでも近年人気があるのが「ポテンツァ」による治療です。この治療では、微細な針を真皮層まで刺し、高周波を照射しながら薬剤を注入することで、汗管腫を内側から改善することが可能です。

 
コラーゲンの再生を促進し、肌を引き締める効果もあるため、美容目的でも人気を集めてきました。費用の目安は5個までで8,800円と、複数個の腫瘍にも対応しています。

 

稗粒腫

稗粒腫の治療法は大きく分けて「切開除去」と「レーザー治療」の2つ一般的な治療法です。切開除去とは、細い針で皮膚の表面を小さく切開し、中にたまった角質を取り除く方法となっています。出血を伴うこともあるため、施術後には抗生剤の軟膏を使用してケアを行う必要があります。

 
この治療では保険が適用できることが多く、費用は2,000円~5,000円程度で済みます。

 
一方で、数が多い場合や再発を防ぎたい場合は、レーザー治療も人気の治療法です。皮膚を浅く削って角質を排出する方法で、施術時間が短く傷跡も残りにくいのが特徴です。

 
ただし、レーザー治療は自費診療になることも多いため、1個あたり数千円〜数万円程度かかることがあります。

 

エクリン汗嚢腫

エクリン汗嚢腫の治療には、レーザー治療や外科的切除、ボトックス注射などがあります。中でも一般的なのはレーザー治療で、1mmあたり約2,200円程度が相場となっています。

 
外科的に切除する場合は、範囲や個数によっても異なりますが、5,000円〜26,000円程度の費用がかかります。そして発汗を抑える目的でボトックス注射も再発予防として用いられることがありますが、多くは自費診療となります。

 
この治療費の相場は、50,000円程度となっていますが、自由診察のためクリニックによって大きく異なるケースがあります。

 

自分で治せる?セルフケアの注意点

汗管腫や類似疾患である、稗粒腫、エクリン汗嚢腫は、見た目が気になることから「自分でなんとかしよう」と考える方も少なくありません。しかし、これらの皮膚疾患は皮膚の深い層や構造に関係しているため、市販薬や自己処理での改善は難しく、逆に悪化させてしまうこともあります。

 
特に、針で刺したり、押し出したりすると炎症や色素沈着、傷跡が残ることもあるため避けるようにしましょう。ネット上にはセルフケアの情報もありますが、自己判断による処置は非常に危険です。

 
そのため汗管腫が疑われる場合は、専門の医師に相談することが大切です。

 

汗管腫にお悩みの方は当院にご相談ください

汗管腫やその類似疾患である稗粒腫、エクリン汗嚢腫は、見た目は似ていても原因や進行具合、治療法に違いがあります。そして見た目で判断しづらいことも多く、自己判断での処置は悪化のリスクがあるため避けましょう。

 
当院は、あらゆるできものを専門的に扱う形成外科クリニックです。豊富な治療法を取り揃えているため、患者様の状態や希望に沿った治療が可能です。平日だけでなく土日も診察を行っておりますので、休日しか診察が難しい方も利用しやすくなっています。

 
できものでお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

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