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赤いあざが腫れてきた?”赤ちゃんのいちご状血管腫について

コラム
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生後間もない赤ちゃんの肌はツルツルでもちもち。

できることなら、いつまでも触れていたいとさえ思います。

しかし、そんな愛おしい赤ちゃんの肌に赤いあざのようなものができてしまったらどうでしょう。

しかも、日を追うごとにブツブツと腫れてきて増えてきているような気がする…

痛くないのかな…

あざが痒くて泣いているんじゃないだろうか…

このまま放置していていいのだろうか…

親としては、心配で心配でたまらなくなりますよね。

結論から言うと、赤い腫れたあざの正体は、乳児性血管腫いわゆる”いちご状血管腫”の可能性が高いです。

いちご状血管腫は、血管が拡張したり増殖したりすることによってできた良性の腫瘍といわれており、生後2週間〜3ヶ月の間に現れることが多く、その後約1年で最大に達します。

それ以降は徐々に小さくなり、多くの場合はほとんど分からなくなります。

良性の腫瘍のため基本的に心配することはありませんが、いちご状血管腫ができた場所によっては命が危険にさらされる可能性があるため注意が必要です。

今回は、そんないちご状血管腫の気になる原因や症状、治療法などを中心に詳しく解説してまいります。

赤ちゃんにできた赤いあざを見つけて不安を抱かれた方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

いちご状血管腫が腫れたり増えたりするのは生後約1年まで

いちご状血管腫は未熟な毛細血管が増殖することでできる赤色をしたあざです。

生まれつき存在するわけではなく、生後2〜3週間、遅くとも生後3ヶ月以内に湿疹のような状態で現れます。

身体の表面であればどこにでもできるあざで、表面はいちご状に赤くなり、腫れを伴います。

生後3〜7ヶ月頃までは急速に増大しますが、生後1歳頃にピークを迎え、その後少しずつ小さくなり、色も薄くなっていきます。

日本人での発症率は0.8%〜1.7%とされており、決してめずらしい病気ではありません。

 

7歳以降に存在するものは小さくなる可能性が低い

生後約1歳を過ぎると、あざの真ん中より徐々に小さくなり、ほとんど分からなくなります。

しかし、7歳になっても存在するあざはそれ以降小さくなる可能性は低いといわれています。

なぜなら、7歳以降になっても残っているあざは、表面の毛細血管が拡張したり、皮膚がたるんでぶよぶよしたものが残ったり、皮膚が硬くなって隆起したりすることがあるからです。

そのため、あざを消すためにはレーザー治療や、手術による切除術が必要になるケースがあります。

 

いちご状血管腫には3つの種類がある

局面型

局面型は、血管が拡張したり皮膚が赤くなるなどの初期症状を経て、あざが皮膚の表面からわずかに膨らんでくることを確認できます。

あざに触れるとわずかに熱を感じられますが、痛みは伴いません。

しかし、人によってはかゆみを感じる場合があるため、幼児などが掻きむしって傷になってしまうことがあります。

あざが小さくなりはじめる時期は比較的早く、将来的な見た目の問題も少ない傾向にあります。

腫瘤型

腫瘤型も局面型と同じく、血管の拡張や皮膚が赤くなるという初期症状がありますが、早い段階であざが腫れてきます。

腫瘤の大きさは時間帯によって変化することがあり、多くの場合で熱をもちます。

あざが大きく腫れている場合には、日常生活で患部を擦ってしまい、皮膚がただれてしまうことがあるため注意が必要です。

年齢を重ねるにつれ、徐々に小さくはなっていきますが、しわ状に縮んだ皮膚として残ることが多く、整容的な問題となることが多いでしょう。

皮下型

皮下型は、文字通り皮膚の下に腫瘍ができるタイプのことをいいます。

表面に赤みなどの病変がなく分かりにくいため、腫瘍がある程度大きくなり、患部が腫れあがってから発見されることが多いとされています。

局面型、腫瘤型と同じく小さくはなりますが、皮下に腫れが残る場合があるため、専門の医療機関で治療相談が必要です。

また、他の疾患の可能性もあるため、鑑別が必要となるケースもあります。

 

すべての場合に早期治療は必要ではないが、例外もある

 

顔や身体にいちご状血管腫ができたからといって、すべての場合に治療が必要というわけではありません。

なぜなら、冒頭でも紹介したように、生後1歳を過ぎてから徐々に小さく薄くなりはじめ、ほとんど分からなくなる場合もあるからです。

とはいえ、治療が必要かどうか自身で判断することは難しいため、早い段階で医療機関に相談しておくと安心でしょう。

 

早期治療が必要なケースもある

反対に、以下の場合には早めの治療が必要とされています。

■ただれや出血がある場合

■鼻・口・首・目・耳にできた場合(生命維持や発達障害につながる可能性があるため)

■5カ所以上にできた場合(内臓にもいちご状血管腫ができている可能性があるため)

■急激に大きくなった場合

■皮下型の疑いがある場合(他の病気との鑑別をする必要があるため)

 

いちご状血管腫の治療方法はレーザー治療と内服治療

■レーザー治療

レーザーを患部にあて、血管内を流れる赤色の組織を破壊し、少しずつ血管を閉塞させ治療していく方法です。

あざの増大を抑えて、痕を残しにくくするだけではなく、あざの程度によっては治療回数が少なくてすむため、基本的には早期からレーザー治療を行います。

手術は、表面麻酔を用い、冷たい空気を当てて表皮を保護しながらレーザー照射を行うため、ほとんど痛みを感じることなく数分で終了します。

また、当院では肌への負担が特に少ないといわれる最新レーザー機器”Vビームプリマ”を使用しているため、小さなお子さまにも安心して治療をうけていただくことができます。

 

■内服治療(ヘマンジオルシロップ)

いちご状血管腫の内服治療にはヘマンジオルシロップという、プロプラノロール塩酸塩が主成分の薬を使用します。

日本では、2016年に厚生労働省より承認がおりた比較的新しい薬で、元々は高血圧症や不整脈の治療に用いられていました。

作用としては血管腫の増殖を抑制し、血管腫が小さくなるのを促進する効果が期待できることがあげられます。

服薬の際には、副作用の説明や服用する量の調整をしながら慎重に治療してまいります。

いずれにしても、患者様のご意向をお伺いした上で、部位やあざのタイプによって治療方法を決めていくことになります。

 

まとめ

■いちご状血管腫は生後約1年までに急速に増大する。その後、少しずつ小さくなりほとんど分からなくなる。しかし、7歳になっても存在するものは消えない可能性が高いため、レーザー治療や手術による切除が必要になることも。

■すべての場合に早期治療は必要ではないが、例外もある。なぜなら、できた場所やあざの状態、数の多さによっては生命維持や発達障害につながる可能性があるからである。

■いちご状血管腫の治療方法は主に、レーザー治療と内服治療がある。

■レーザー治療はあざの程度によっては治療回数が少なくてすむため早期の治療がよい。また、当院は、痛みの少ない最新のレーザー機器を使用しているため、小さなお子さまも安心して治療をうけられる。

■内服治療には血管腫の増殖を抑制し、血管腫が小さくなるのを促進する効果があるヘマンジオルシロップを使用。レーザー治療に抵抗がある方でも安心して治療をうけられる。

 

今回は、腫れる赤いあざである、いちご状血管腫について詳しく解説してまいりました。

いちご状血管腫ができてお困りの方や不安がある方のお役に立てることができれば幸いです。

あざ治療をご希望の方は、
こちらからご予約ください