【赤ちゃんの青あざ】腫れてきたけど、放っておいても大丈夫?
目次
以前、このブログ内で腫れる赤あざとして”いちご状血管腫”についてご紹介しました。
そして今回は腫れる青あざの”青色母斑”について詳しく紹介しようと思います。
赤ちゃんにできるあざの種類は様々。そして青あざも決してめずらしいものではありません。
一般的に青あざには、2種類あります。
1つ目は、どこかにぶつけたり、あやまって赤ちゃんの顔にスマホを落としてしまった場合などにできるいわゆる『青たん』です。
2つ目は、生まれつき、もしくは成長するにつれて現れてくる『あざ』です。
結論から言うと、青たんであれば皮膚の下に溜まった出血が原因で、皮膚が変色して青色に見えているだけなため、数週間もすれば元に戻ります。
しかし、あざの場合は放っておいて薄くなることはあっても、完全に消える可能性は低いと言われています。青あざの中でも色が濃く、”腫れ”や”硬い盛り上がり”を伴う青色母斑の場合はごくまれに悪性化(癌化)する可能性があるため、早めに専門の医療機関にかかること、そして注意深く経過観察をすることが大切です。
今回は、そんな青色母斑について詳しく解説してまいります。
この記事を読むことで、
■青色母斑ができたら早めに医療機関を受診した方がよい理由
■青色母斑とメラノーマ(悪性黒色腫)とのちがい
■青色母斑の原因と治療方法
■青色母斑を治療する時期の目安
について分かります。赤ちゃんにできた青あざが”最近になって気になりはじめた”という方は、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
腫れてきた?青色母斑はごくまれに悪性化(癌化)するおそれがある
青色母斑は、ほくろに似ていますが、ほくろより青色が強く、青あざの一種として知られています。
そして、同じ青あざとして、異所性蒙古斑や太田母斑がありますが、これらとの大きなちがいは、あざの状態です。
蒙古斑や太田母斑は隆起のない平たいあざで、大きさも大小さまざまなものがあります。
一方、青色母斑は硬い盛り上がりがあり、1㎝以下の大きさであることがほとんどです。
そして青色母斑はごくまれに悪性化(癌化)することがあるため、早めに専門の医療機関を受診し、経過観察を行った方が安心でしょう。
青色母斑の大きさが1㎝以上あると悪性化する可能性はある
青色母斑であれば、どんなものでも悪性化するわけではなく、1㎝以上のあざが悪性化する可能性がある目安とされています。
診断方法は、大きさや色、あざの腫れ具合などを丁寧に観察し、見た目の変化をもとにして診断されます。
経過観察中に腫れが大きくなってきたものは、悪性化が懸念されたり、ほかの疾患との鑑別が必要になったりするため、あざの一部を採取して病理組織検査を行います。
青色母斑とメラノーマ(悪性黒色腫)のちがい
青色母斑やほくろに似ている皮膚がんとして”悪性黒色腫(メラノーマ)”と”基底細胞癌”があります。
見た目が似ているため、あざやほくろが大きくなってきたら心配になりますが、赤ちゃんに悪性黒色腫や基底細胞癌ができることはほぼありません。
参考までに、青色母斑やほくろと悪性黒色腫のちがいを紹介します。
色:青色母斑やほくろは均一の色をしているのに対し、悪性黒色腫はむらがある。
大きさ:悪性黒色腫は、6mm以上ある。
隆起:青色母斑やほくろは隆起しているが、悪性黒色腫は進行すると隆起する。
青色母斑の原因はメラニンが関係している
青色母斑は、青色母斑細胞というメラニンを含んでいる細胞が何らかの理由で増殖することで発症するとされています。
また、メラニンは”メラニン生産工場”といわれるメラノサイトという細胞によって作られ、私たちの皮膚や髪の毛、瞳の色を構成する黒色の色素のことをいいます。
原因がさだかではないため、予防することは難しく、発症してから正しい治療が必要となります。
青色母斑の治療はーザー治療と外科的切除手術の2つの方法がある
あざの大きさが1㎝以下であれば、悪性化する可能性が低いため、そのまま様子をみていただいてもかまいません。
しかし、あざが自然に消えることはないため、美容的に気になる場合は治療が必要となります。
治療方法はレーザー治療と外科的手術による切除術の2種類があります。
レーザー治療
あざの原因である色素にレーザーを照射して、治療を行います。
治療中の痛みは、輪ゴムを肌にパチンと弾いたような感覚がありますが、痛みが和らぐように麻酔クリームやテープを使用しています。
レーザーで治療を行う場合は、色素沈着などの合併症が起こる可能性があるため、治療後2週間ほど軟膏による治療と紫外線ケアを行います。
外科的手術
あざが少しずつ大きくなっている場合や、手術に対応できる年齢の場合には外科的手術による切除を行うこともあります。
切除を行う場合は、局所麻酔をかけ、痛みがない状態で丁寧に施術し、手術のあとも痛みを最小限にとどめるために、細い針と糸で縫合を行います。
切除をした場合には、患部に細いしわのような手術痕が残る可能性があるため、診察の際にあらかじめ説明します。
術後は、患部をケアするために2週間程度は処方された軟膏を塗り、ガーゼで保護する必要があります。
青色母斑を治療するタイミングは早い方がよいとされている
青色母斑にかぎらず、あざを治療するタイミングは早い方がよいとされています。
また、治療をしなくとも、あざが気になった時点で早めに専門の医療機関を受診し、相談することをおすすめしています。
なぜなら、ある程度の年齢を重ねてからもあざが消えていない場合、あざが原因でまわりのお友だちからからかわれたり、いじめの対象となったりすることがあるからです。
当院を受診された患者さまの中にも、そのような悩みを抱えて来院される方がいらっしゃり、とても悲しい気持ちになりました。
あざのできた場所や大きさによって治療の必要性の有無や治療方法はちがいますが、お子さまのあざで不安を抱いている方は、早めに専門の医療機関に相談し、お子さまにとって最良の選択をしていただきたいと考えております。
まとめ
・青色母斑は、ほくろによく似た青あざの一種で、1㎝以下の硬い盛り上がりがある。
1㎝以上あるものは、ごくまれに悪性化(癌化)することがあるため、早めに専門の医療機関を受診することが大切。
・青色母斑やほくろに似ている皮膚がんとして”悪性黒色腫(メラノーマ)”と”基底細胞癌”がある。
しかし、赤ちゃんにできる可能性は極端に低い。
・青色母斑は、青色母斑細胞というメラニンを含んでいる細胞が増殖することで発症する。
しかし、増殖する原因が不明なため予防することは難しく、発症してから正しい治療が必要となる。
・あざの大きさが1㎝以下であれば悪性化する可能性が低いため、そのまま様子をみてもよいが、あざが自然に消えることはないため、美容的に気になる場合は治療が必要。
・治療方法はレーザー治療と外科的手術による切除術の2種類。
・青色母斑にかぎらず、あざを治療するタイミングは早い方がよい。
なぜなら、ある程度の年齢を重ねてからもあざが消えていない場合、あざが原因でかわれたり、いじめの対象となったりすることがあるから。
いずれにしても、あざのできた場所や大きさによって治療の必要性の有無や治療方法がちがうため、早めに専門の医療機関に相談し、お子さまにとって最良の選択をすることが肝要。
今回は、腫れる青あざである、青色母斑について詳しく解説してまいりました。
青色母斑ができてお困りの方や不安がある方のお役に立てることができれば幸いです。
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