単純性血管腫(ポートワイン母斑)とは

単純性血管腫(ポートワイン母斑)とは
単純性血管腫とは、ポートワイン母斑とも呼ばれる、生まれつきみられる赤あざです。主な特徴は以下のとおりです。
・表面は平坦で、形・大きさ・範囲には個人差がある
・体の成長とともに、皮膚面積が広がることであざも大きく見える
・治療を行わず年齢を重ねると、色が濃くなったり、表面が盛り上がったりする
単純性血管腫(ポートワイン母斑)は自然に消えることはありません。そのため、お子さまが小さいうちに適切な治療を始めることで、将来的な治療の負担や見た目の変化を抑えることができます。
単純性血管腫の原因
単純性血管腫は、皮膚の毛細血管が異常に増殖したり、拡張したりすることでできますが、明確な原因はまだわかっていません。遺伝子の変化、血管の成長を調整する仕組みの乱れ、局所的な環境要因など、複数の要因が複雑に関係して発症すると考えられています。
なお、単純性血管腫は遺伝することはほとんどなく、妊娠中の生活や行動が原因になることもありません。
単純性血管腫の原因について、さらに詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
赤ちゃんの生まれつきの「赤いあざ」はなぜできるのか~症状、原因、治療法を解説
他の赤あざとの違い
ここでは、単純性血管腫(ポートワイン母斑)と他の赤あざとの違いを解説します。赤あざの種類によって経過や治療方針が異なるため、正確な診断を受けることが重要です。
いちご状血管腫との違い
単純性血管腫が平坦な赤あざであるのに対し、いちご状血管腫はいちごのようにぷつぷつと盛り上がっているのが特徴です。多くの場合、成長とともに自然に縮小し消失するため、経過観察となることが一般的です。
サーモンパッチ(正中部母斑)との違い
サーモンパッチは正中部母斑とも呼ばれ、眉間やおでこなど、顔の中央にできることが多い赤あざです。単純性血管腫と同様に平坦ですが、境界がはっきりせず、色も淡いのが特徴です。多くは1歳前後までに自然に薄くなります。
ウンナ母斑との違い
ウンナ母斑は、うなじから後頭部にかけてできる赤あざです。サーモンパッチと同じく平坦な赤あざですが、こちらは半数程度は成長とともに自然に消えるものの、大人になっても残る場合があります。
あざの種類についてもっと知りたい方はこちらの記事ご覧ください。
単純性血管腫の原因や見分け方を解説 早期治療がおすすめの理由とは
単純性血管腫は治療が可能
単純性血管腫は自然に消えることはありません。しかし、単純性血管腫をはじめとする赤あざは、レーザーによる治療が可能です。早期から治療を行うことで、将来的な色の変化や皮膚の肥厚を防ぎやすくなります。当クリニックでは、まずはあざの状態を丁寧に診察し、治療を進めています。
単純性血管腫の治療方法
単純性血管腫の治療は、レーザー照射が一般的です。レーザーで拡張した毛細血管を閉塞し、赤みを徐々に薄くしていきます。発生する部位によって治療のリスクも異なります。
レーザー照射による治療が基本
当クリニックでは、Vビームプリマを使用しています。照射前に冷却を行うため、皮膚への負担や痛みを抑えた治療が可能です。
治療の安全性について
Vビームプリマは、赤ちゃんにも使用できる安全性の高いレーザーです。従来のレーザーと比べて、周囲の皮膚へのダメージが少なく、短時間で施術が完了します。
レーザーの安全性について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
単純性血管腫は早めのレーザー治療が有効!治療内容と安全性について
治療の流れ
安心して治療に臨めるよう、基本的な流れをご紹介します。
1. 診察・カウンセリング
あざの種類や状態を正確に診断します。
2. 治療計画のご提案
必要な治療回数や費用目安についてご説明します。
3. レーザー照射
痛みに配慮しながら、専用のレーザーを照射します。
4. アフターケア
照射後のお薬の塗布や、ご自宅でのケア方法をご指導します。
治療期間について
治療期間には個人差がありますが、1回で完了することは少なく、数回〜長期的に治療を続けていくケースが一般的です。あざの範囲や色の濃さ、部位によって効果の現れ方は異なるため、焦らずじっくり治療を進めましょう。通常は3か月間隔で施術を行いながら経過をみていきます。
治療後の副作用と注意点
レーザー照射後は、血管が壊れることで内出血(紫斑)が生じます。また、レーザーの熱による赤みや炎症、水ぶくれなど、軽いやけどのような症状が出ることがあります。
一時的に炎症後色素沈着が起こり、茶色く見えることもありますが、多くは時間とともに改善するため、過度に心配する必要はありません。施術後は、処方された軟膏の使用や紫外線対策など、医師の指示を守りましょう。不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。
治療費用
赤ちゃんの単純性血管腫の治療は保険適用となります。また、大阪市のこども医療費助成制度などの適用を受けることで、自己負担を減らしての治療をお受けいただくことが可能です。
大阪市の助成金制度について
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000369443.html
| レーザー治療費用の目安(保険適用時) | |
|---|---|
| 面積 | 費用 |
| 〜10 cm² | 21,700円(1割負担:2,170円/3割負担:6,510円) |
| 11〜20 cm² | 26,700円(1割負担:2,670円/3割負担:8,010円) |
| 21〜30 cm² | 31,700円(1割負担:3,170円/3割負担:9,510円) |
| 31〜40cm²まで | 36,700円(1割負担:3,670円/3割負担:11,010円) |
※上記の費用は目安です。初診料や再診料、お薬代などが別途かかる場合があります。詳しくは医師までご相談ください。
単純性血管腫に合併する病気
Sturge-Weber(スタージ・ウェーバー)症候群
単純性血管腫が顔の片側のおでこから頬部にかけて広範囲に存在する場合は、スタージ・ウェーバー症候群を合併している可能性があります。てんかん発作や緑内障などを伴うことがあるため、早期の診断が重要です。
Klippel-Trenanay―Weber(クリッペル・トレノネー・ウェーバー)症候群
単純性血管腫が上肢や下肢の広範囲にある場合は、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群が疑われます。血管やリンパ管の異常により、手足が肥大することがあります。診断には、血液検査や画像検査などの全身検査が必要です。
よくある質問(Q&A)
Q. 治療は何歳から始められますか?
A. 生後1ヶ月を過ぎた頃から治療が可能です。皮膚が薄い赤ちゃんの時期に治療を始めるほうが、レーザーの効果が出やすいとされています。
Q. レーザー治療は痛いですか?
A. 輪ゴムで弾かれたような痛みがあります。当クリニックでは冷却機能のついたレーザーを使用し、痛みの軽減に努めています。
さいごに
お子さまのあざは、ご自身のこと以上に心配になるものです。当クリニックでは、親御さんの不安に寄り添いながら、適切な治療と丁寧な説明を心がけています。単純性血管腫の治療やレーザー照射について、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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